旧鼠の星new
かつては水の惑星と呼ばれ、緑豊かであった星。 現在ではオゾン層が破壊され、滅んだ先史文明を支えていた緑に代わって、地表を荒涼とした砂地が浸食していた。 この荒廃した世界を生きる、二つの種族がいる。片方は旧鼠、もう片方は旧鼠の天敵で大蛇と呼ばれており、両種族は滅びゆく星の運命に抗い、長い時を生き延びていた。 そんな中、旧鼠ユスチィスとヒトの少女の出会いがきっかけで、時代は新たな転換期を迎えようとしていた。 ※本作はカクヨム、小説家になろう、にも掲載しております
妖魔の旅路
妖魔――人間の天敵として生まれながら、人間によって淘汰された者たち。 生き残った妖魔たちは最後の術式を行使し、人間の血の中へ潜むことで自分たちの存在を後世に残す道を選ぶ。 そして、幾千年の後、人の血脈の中に眠っていた妖魔の遺伝子が各地で目覚め始めた。 妖魔として覚醒した者は、人間としての自我を保ったまま、人間から迫害される存在として生きる道を余儀なくされる。 それが、かつてこの世に生きていた妖魔たちが望んでいたことであるのか、今となっては誰一人として、知る者はいなかった。 ヨモキとシャモギ。ある日、妖魔の血が覚醒し、人として生きる道を失った姉弟。 姉弟は、妖魔として目覚めた者を助けて回っているという妖魔アキゴに命を救われる。 かくして、二人はアキゴの組織した「妖華一座」の一員として、共に妖魔の生き延びる道を探す旅を続けることになった。 これは、二人の姉弟が見た、妖魔の数奇な運命を巡る物語。