500年に1度、神の力を宿した少年は自国の滅亡と共に闇へと堕ちた──。 神の力を持つ少年クロムは、滅亡した自国エスポワールの庭園で鮮黄色の瞳を持ち、不死の少女エヴァンと出逢う。 心優しいクロムは帰る場所のない彼女の面倒を見ることに。 旅をする二人を待つのは死か、それとも希望なのか──。
かつて最強だと謳われた魔法王国エスポワールは隣接する魔法帝国フィエルテによって十年前に滅ぼされた。
長きに渡る戦いに終止符が打たれ、世界は平和へと一歩近づき、民衆は安堵する。
けれど魔法帝国フィエルテはそんな民衆の期待とは裏腹に、完全なる魔法主義国家へと歩みを進めるのだった。
民衆を守る魔導兵は力に溺れ、国を導く皇帝は欲深く神の力を求める。
そんな国の誇りは強さだけになり、かつての高貴で強く誇り高いフィエルテはもうどこにもなかった。
民衆にとって魔法帝国はもう安心して暮らせる場所ではない。
魔導兵に逆らえば命はないだろう。そんな暗く、恐怖に怯える日々に民衆達はただ安らぎを求めた。
ここは魔導士の強さと誇りを象徴する帝国、フィエルテのお尋ね者達が集まる酒場。
夜になると同時にお尋ね者達が酒場に集い、お祭りのように毎回どんちゃん騒ぎが繰り広げられている。
しかし妙な事に、今日は珍しく酒場には客が三人しかおらず、陰気な雰囲気が漂っていた。
ある酔っ払った客が隣で酒を飲む友人らしき人の肩を掴み、ある話題を取り上げた。
「あの魔法王国エスポワールが滅んで十年……最強の座はフィエルテの物になったわけだが、平和どころかむしろ争いの日々になってよ」
「まあまあ、フィエルテの魔導兵は皇帝の命令であの噂の、黒の魔導士を生け捕りにするために警備強化をしてるしな」
酒を飲みながら男二人はこの国の今の現状を話していた。
グラスに満たされたラム酒を男は、豪快に喉に流し込むと、話の続きを言い始めた。
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