る。冷えた空気の中で、風の囁く森の妖気が、こ
らされた薄暗い獣道を覗き込む。夜の生き物たちの
ませる。こうすると、村の人間たちは誰も気づくことはないの
。ぼくの場合、こればっかりはどうにもならず、
てしまった。多分、近い日の内に、アキゴさんが次の食料調達の段取りを整えてくれるのだ
が空い
って、妖魔の能力を使えば、それだけ元気
ている夜の闇の中。もう少し、勇気を出せば、お腹を満たせ
しまう恐れがあることに変わりはないし、ぼ
は決心
せ、さっと両手を地面の上に突き
走しているような一体感。ぼくはこうやって一つの動物となって風と共に走る
ていたかったけど、走り終わったあとでます腹の虫を
目星はついていた。暗がりの中、まだ起きている人の気配はほとんどない。動い
った。そのまま屋根伝いに、少し水分を含んだ藁
にある、おぼろげな月明かりに照らさ
で墓場に入り込み、嗅覚を研ぎ
周りに人がいないか確認したうえ
山のようになっている。その下からは、未だ
てから、犬の前足のような動作を思い描きなが
ができた。ある程度深く掘り進んだところで、折
かっていたけど、最近埋葬された、歳をとった女の人のものである
でも、アキゴさんが言っていたんだ。妖魔
た腐肉は柔らかくて、味は塩っぽく、少しだけ酸味があった。地中
警戒を怠っていた。だから、すぐ傍に人
はぎょっとなって顔を上げて
なかったのだと思う。でも、ぼくは暗闇でも眼がよく見
悲鳴ともつかない、恐ろしい声を張り上げた。
座の仲間のいるところまで来たところで、よう
などではないと皆が騒ぎ、大規模な捜索が始まり、
を見ているうちに、ぼくの心は重い罪