絶海の孤島にひとり取り残された、長寿種族――エルフの少女、アリーダ。死ぬに死なれず、ただ絶望をもてあそぶまま、そこに生きていた。そんななか、彼女はある青年から一通のボトルレターを受け取る――。 海を隔てた文通を重ね、やがてふたりは心を通わせ、互いにかけがえのない存在となっていく。交わることのない彼らの、切ないラブストーリー。
なんて平和な世界だろう。
誰もいない。私以外、誰もいない。
あるのは、鬱蒼と茂る森と、その向こう側に広がる砂浜――そして、瑠璃色に輝く大海原。
人影など、最後に見たのはいつだったか。
誰もいない。だから、争いも何も起こらない。
もう、私は目にしなくていいのだ――火の赤も、血の紅も。
ああ、なんて平和なことか。
……なんて、孤独なことか。
もう、私は目にすることがないのだ――燈の赤も、頬の紅も。
家族の温もりも、友の笑顔も。
私に触れるものなど、何もない。何もないのだ。
全てを喪った「あの日」から、どれほどの世紀が経ったのか。数えることすら忘れていた。
特に何を考えることもなく、ただ時の流れを待った。
人間より長く定められた寿命を呪いながら。
尽きぬ我が身を嘆きながら。
海の水泡となることさえ恐れる我が心を恨みながら。
愛も情けも、記憶の彼方に埋もれていた。
そんなものがかつてあった場所は、今やぽっかりと穴が空いているばかりだ。
何もない。
水しぶきをあげる波のような喜びも、吹き荒ぶ大風のような悲しみもなく、ただ凪ばかりが続く日々。
それが、これからもずっと続くと思っていた。
「拝啓 波の彼方のあなたへ」
そう書かれた手紙を、この手で受け取るまでは。
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