ょっと、待っ
と思う。私が実力の表明を提案し、彼はそれを受け入れた。事が進むだけで
早い解決手段です。
ごせないよ、喧
納得してるんだ、口
み込んだという風だった。奥様は気が気でなさそうに胸の前で手を組んでいる。口を挟む余裕がないの
か、広場には既にまばらに村人
のようですが、武
それを使う。安心し
から独特な雰囲気が辺りを支配し始める。こうして
その背中のデカ
い
ない。殺すために戦うわけではないのだ、であれば背中の大剣を抜く必要はないだろ
は譲っ
、お構
フを抜くと、中段に構えた。それと同時に、周囲を取り囲
疾走が
なかなかに速度
き出す。急所を突くことに躊躇のない、狩人のような一撃。私はそれを
鎮
否
一人という実績に偽りない練度だ。すぐさま足を戻すと、一呼吸置くため後方へ跳ぶ。恐らく普段
面を蹴って距
な
や獣だろう。それに彼は遠くから弓矢で射撃する役割の人間だ、近距離を強い続ければ自ずと苦手を押
を利かせる前に、肩を押さ
すぐさま立ち上がろうと膝を立てるが、私が背後に回るには十分な時間と動作だった。首
っ、こ
ててこれでもかと動物的に足掻いた
レク
が彼の名を呼びかけながら駆け寄って来た。村人たちもそれに
ぎだよ騎
彼を介抱しなが
すぎ、
、気絶するまで
でやらなければ、彼は止
するなり降参の意思表示があったなら、すぐに腕を解くつもりでいた。立て
って、こ
きっとロラは争い事を好まない性格なのだろう。決闘が始まる寸前まで、止めて欲しいと訴えていた。私とて、早い話だったから決闘に応じた。別に射手の彼と戦いたかったわ
や
リーの中から
なた
の一人だ。今の
同じ外套を纏っている。外套は自警団である証のようなものな
め頂き
ない。だから名前だって
まだ信用していないから名前は教えられない、なるほど
るように、是
でそんなすぐ
の彼を運びながら、
闘狂ではない。それしか能がないのだから、それを手段にする
目立つ。二メートルに迫る背丈だ
使用しな
わりに彼は何も武
の中で振り回すに
用いる武器はその背に相応の大きさを誇っているらしい。ただ、振
、決闘を行うには十
に使わないつもり
が目的では
らそう独り言ちたところを見
遠慮なく
前に、拳による攻撃が振るわれていたのだから。振るうと同時に巻き起
斧でも振るわれたような一撃は、当たれば骨くらいは砕かれるだ
まの彼の肩。一般的な体格の人間では着地するには狭すぎるため不向きな場所だが、恰幅の良い彼の肩であれば着地点として機能す
てえ
た。滴る鼻血を手で拭うと、いま一度拳を握り構えの姿
参を推奨
わけね
ち、負傷らしい負傷は鼻からの出血のみ。私も同
い。おぼつかない足取りから復帰した一撃としては、誇っていい練度と精神力だ。惜しい点を挙げるとすれば、大振り
移動することで躱す。そして拳を下からえぐって鳩尾に入れた。硬い壁を殴りつけたような感触。支えをなくした巨躯の彼の体は、前のめりになり崩れ落ちそ
ため、追い打ちはしない。続けるなら立
。その様子から、呼吸さえ整えば今にも
降
…し
で奪わなければ最後まで立ち向かってくるだろう。まだ二人だけで評価するには早いの
ついてゆっく
、それは
い。出来ることをやるだけ。一度だって凄いと褒められた記憶はないのだ、その評価
ある。いきなり来た奴にはいそう
飛んできても反応できる体制だ。太ももの筋肉に血
防衛戦。国防。その地に愛着なんて私にはない。やれと言われたから戦っていた。命を賭けていたのはあくまで手にした武器に対してだけ。守り切ったところで、とりわけ思うこともない。私もこのさきカルムを守っていけ
決闘を終わらせる程度の破壊力がある。決して余裕など持てない。冷静に拳を見極めて、しかるべき部位にカウンターを打
ないほうがいいと感じたのだろう。先手必勝とばかりに攻撃してきた開幕とは
見つめた。何か深く思ってのことではない。ただ先に視線
ど経ったか。いや、実際の経過はそうでもないのかもしれないが、ともかく巨躯の彼は
まりの風が吹き上げて、フードの留め具が外れそうになる。これを晒すわけにはいかない。留め具を押さえてそれを防ぐが、彼の左腕は既に振り上げられ
腕でブロックすることも出来ず、後方へ跳んだ。後退はなるべくしたくはな
の隙を逃さずに巨躯の彼はこちらへ接近し、そのまま拳を放った。体の外側から内側へ向かって曲線的な軌道を描く
けにはならない。流石に戦斧のようなその拳を喰らうわけにはいかないため、防御態
鎧を身に着けていないのをすっかり失念していたのだ。無理矢理着させられた、洒落た服。
。盾を模した腕には鋭い衝撃が走り、後方へ吹き飛ばされる。空を走る稲妻が、自分の腕に痛みとな
ると、既に巨躯の彼は距離を詰めるために走り出していた
んだがな、ガードの上から
たにも関わらず私の身は後方へ吹き飛んでいる。拳で怯まなかったのは、私が鈍いからだ。それで彼の腕力
れに相応しい
とした顔で言う
ったことをそのまま言っただけな
だけだ。顔面を思いっきり殴れ
くら私が鈍いとは言え、感覚より先に意識が飛ぶだろう。そうなれば実力を証明出来
音がした。ぽきぽきと、肉食獣が威嚇するかのように。臆病な草食動
ってきそうなほどに殺気を放つ。次に放たれる拳は、いま防御した一撃より