食事の間ずいぶんといらないこ
でいらっしゃ
ない……最近はもっぱらコラムと
す。処女作でしたか、
のか。10年も前の
、今、静さんとお話していると、あ
いことを言
って初めて、彼女に愛さ
の一節をそらんじた。 私が驚いて
りない。彼女はいつも僕を受
膝のうえにそっと手を触れた。体中の血がそこに集
フィクションで、
たのだから。 夕はやはり表情を変えない。まるで
いんだ。作中の彼女
けを交わした女性のことを愛していたことを、彼女の死によって気づく、という話だった。 フィクシ
して本にした。作中で亡くなっているのは、私の気
こんでいた。 そして、ひとりでに涙が溢れてい
くなった。私の
のことを悟られないように、慎重に。 従兄弟。血が繋がっていることがどうしてこんなに残酷なのか。 他人だ
ていないと思う…多分。だから本に書いてもわからないだろ
のもとらず病院に向かった。皮肉にも一番最初に
は信じられないほど彼を愛していたんだと、再確認させられた。最後に心
度は何も変わらなかった。私の想いに応えられない代わりに、どんなときも同じ笑顔でいてくれた。それが、私の気
ていて、ひとは知らず
優しく包み込んだ。白檀の香りが私の心をゆっくりと溶かし
こにもいないことが
るよ。いつで
かった。 しかし咄嗟に上げた私の目に飛び
…いま
をお使いにな
て、一度席を外した。 ひとりになったことに少し安堵して、私は内風呂の襖を開けた。 知る人ぞ知る隠れ宿「臥待月」。 高級娼館などと言う輩もいる。 男しか受け付けぬその宿は
娼館と言われるのかはもちろん、相手をしてくれる娼夫がいるからに違いない。 あの儚げで美しい夕が、まさか私
は何時なのだろう。 ここを教えてくれた知り合いに、一つだけ絶対に守らなければならないことがあると念を押されたことを思い出す。 時計を外していくように、と。 時間を気にした
挨拶をされたときのように三つ指をたてて正座をし、長い髪を女
せていただ
ったものの、夕ほどの美しさではなかった。中性的でありながら、きちんと筋肉のついた上半身と、しなやかに伸びた脚。 肌襦
りと肌襦袢を肩から滑らせ、夕は一糸纏わぬ姿で私を見た。にっこりと笑って、夕は湯船に近づい
いうことを避けていて……あま
。…近くに、寄らしていた
た。 しっとりと吸いつく肌は、ずっと昔に一度だけ抱いた可愛らしい女性よりも、はるかに柔らかかった。本当にこれは現実なのか、若く見えるがどのくらいの年齢なのか、娼夫としてはあまりにも上品すぎて、本当に私とそんなことをするのか…
ないんじゃ
何を
では…あまりキスは
お客様で
分の身体が勝手に期待しはじめているのを、悟られるのが恥ずかしかった。 夕の手が私の胸から腹へと降りていき、下腹部ぎりぎりでぴたりと止まった。 「静さん。ここへいらっしゃったのは、その方を愛したことを忘