な人物が静かにニンシャン殿(ユンシャンの住む宮
ある建物のドアをノックした。 しばらしくて、疲れた様
を着た年老いた女官が顔を出し、 マント姿の
こにいらっしゃったのですか?」 老婆
戸と木しかなかったが、きれいに整えられていた。 彼女は前
、薄暗いランプの光が中から漏れており、
来てから彼女を観察してお
:皇帝の食事を用意する場所)で働く宦官たちと食べ物と引き
も聞かず、 建物の中の
緑色の無地の服を着ていたが、それでも非常に美しく見えた。 ドアが開くと、彼
ずき、ささやいた。 「お母さま... 本
ていて、 誰もジン妃の名前を口に出すことは許されなかったのだ。 ユンシャンは母親について聞かれると、誇らしげに「王室の血を引
寵愛を失ったり罪を犯した
りも人を傷つけるということ
げたが、 そこにいる若い王女を見てぼんやりとしていた。 そ
は子供の頃から母親とは離れて暮らしており、
王女が裸足でいるのを見て、驚いた。「こんな夜遅くに、どうやってニンシャン殿から抜け出して
妃は娘である自分を愛してくれているのだ。 彼女は、ジンランが窓から投げ捨てた、あの赤ん坊のこ
拭いた。「なぜ泣いているの? あの人達があなたになにかしたの?
役立たずにしているだけなのよ。 皇后は、私を見張る為に自分で私の世話をする宦官や女官を選んで、 皇后がどんなに寛大で徳の高い人かを毎日のように話してきて、私に彼女の悪い所を見せないようにしているわ。 それにホアジン王女の先生がどんな罰を与えるのかも… もし私が行儀よくしていれば皇后が褒めてくれて、いい子に
国では、女性は音楽、チェス、書道
み、ため息をついた。「
ていたの。 目が覚めてからは、わざと毎晩悪夢を見るふりをして嘘を付いて宦官と女官を近づけないようにしてたし、 宦官と女官が近づいてくると、悪態をついたわ。 やっと、最近彼らが夜間私に近づいて来なくな
母さま、私、急いで出て来たからなにも用意してなかったの。 このブレスレットを食べ物と交換できるわ。 皇宮の使用人たちはみんな貪欲で無情
ンが立ち去るのを見ていたが、
人、王女はなぜ訪ねて
中奥向きの宮殿の総称)に連れてくるのが嫌だし、 彼が他の女性と恋に落ちるのも見たくなかったから、 ここに隠れる事にしたの。無知だったわ。 私は、
なので、あんな醜い場所から身を引いたのは正しかったと思いますわ。 王女のことは、明日、守ってくれそうな人を探します。 主人は、この場所に来
上の空で
なにも知らず、今まで見たことも聞いたこともなかったのだ。 覚えているのは、前世では彼女が重病になり、成人式の前に亡くなったことだけで、 彼女に会いに行ったことで、
五歳になると、かんざしを使用して
か思い立ったように意気込み、内ホールへ裸足のまま駆け出して行くと、目を細め、石油ランプを睨みつけた。 そして、彼女は手を振り
いた。 そしてまもなく、ニンシャン殿内は大混乱になった。 「急いで! 王女
上がり、 部屋のドアの所に
のようなチャンスを与えられ、二度と誰にも支配されるような生き方はしないと心に誓った。 あの二人の女性は力と