雪の街。ホワイト・シティのノブレス・オブリージュ美術館の一枚の絵画から一人の男が産まれた。その男は昼間は大学生。夜は死神だった。何も知らない盲目的な人生から大切な恋人に出会うことになる。 [R15][注 暴力表現 グロ要素 有り]
ここはホワイト・シティ(雪の街)のノブレス・オブリージュ美術館。二つの螺旋階段の下にある広大なサロンには、暖房が行き届いていた。今の時間帯はいつもの会話や談話する着飾った人々は誰もいない。時計は深夜の2時を指している。サロンの壁面には13枚の美しい女性の絵画や30を超える高級な東洋の壺。回廊を繋ぐ4枚の大扉にはみずみずしい花を咲かせた花瓶が飾ってあった。
その中で、産まれたばかりの赤子を抱いた女性の絵画から一人の男が産まれた。その男は赤子ではなく20代の容姿の青年だった。
男の風貌は、背が高く。ゆったりと腰まで流れるような銀髪で、かなり痩せているが端正な顔で鋭い目つきだった。黒い服と黒いロングコートを着ていた。白いポロシャツに銀のロザリオを腰にぶら下げ、銀の大鎌を持っていた。
「母さん……。ここはどこ?」
男は産声を上げた。
男の名付け親は、男が最初に出会ったこの美術館のオーナーだった。オーナーの女性は男にモート(ウガリット神話に登場する死と乾季の神の名)という名を与えた。
オーナーは高校程度の教養はあるが、ここでの人生を何も知らない青年に大学を通わせることにした。そして、1年後にはオーナーはモートの良き理解者となった。
現代から、ひょんなことから1661年の第17代目当主伊達政宗となった俺は、黄金の国ジパングを狙う大海賊ベンジャミン・ホーニゴールドにクラス全員をさらわれ大奮闘。 来なくていい奴もクラスメイトのあの子もこっちの世界へと来てしまった。だけど、この世界。何か変だ……? 胸騒ぎがする? だけどもうやるしかない。 いざ、参る。 表紙画像はフリー素材ぱくたそ様よりお借りしました。 ありがとうございます!