西暦2068年。日本は超高齢化によって経済的に衰退していった。銃を持つほどの治安悪化。ノウハウというアンドロイドの出現。仕事がなくなる。そんな世界。 そんな中、夜鶴 公はど田舎A区と裕福B区の貧富の差の板挟みにあっていた。 B区からA区へ追放されると、近所にいた総理大臣の娘と出会い。 板挟みに挟まれながら、命掛けの恋愛に踏み切る。 やがて、二人は国を左右するハイブラウシティという出来事へと巻き込まれていった。 日本の分裂した近未来を是正するガンアクション&ラブコメです。 表紙はおうみ舟様です。感謝感激です。
超高層ビルのオフィスから高速エレベーターで降りた。
エントランスで彼女の髪飾りに気付き手を振った。
停車してある車窓から彼女はにっこりと笑って、シボレーから降りて来た。資料片手にこちらに手を振る。道路を走るスポーツカーの群はまるで何かのレースのようだ。
「おはよう」
「おはよう。その手の資料は何?」
彼女は小さく微笑んで、「ちょっとね」と言い。私をこのビルの真向かいのコーヒーショップへと誘う。
丁度、横断歩道があるので、信号が青になったらまっすぐに店へと行ける。
私は何度か彼女に誘われていた。
「コーヒー飲みながら話しましょ」
彼女と私の関係はどっちかというと、友達だった。彼女にはボーイフレンドが五本の指では足らないほどいるのだ。その中の私はただ単に話やすい人であった。
「昨日は御免なさいね。私おっちょこちょいで……」
「いや……いいさ。でも、そのせいで俺が上司に怒られるだけさ」
私はそう言うと、ロレックスで時間を見てみる。午前の10時だ。
彼女の仕事でのちょっとしたミスを、私がもみ消すのはこれが初めてではない。
店内に入ると、彼女が席に着いてから口を開く。
「あの、それで話したいことがあるの。ねえ、聞いてくれるでしょ」
コーヒーショップは人が疎らである。コーヒーの香りだけでもゆったりとできる空間に、彼女の醸し出す雰囲気は微妙にそぐわなくなってきた。
「また。もみ消して……今度のはちょっと大きいけど」
歯切れの悪い言い方で彼女の口から音が漏れる。
けれども、私はまたかとは思わない。
しょうがないなと思う。
私は素材のいい背広のポケットから手を引張り出し、両手を揉んだ。
「解った。いったい……どんなことをしたんだ?」
…………
ここはB区という場所。西暦2058年の日本だ。2042年頃から少子超高齢化が急速に進み、今では65歳以上の人が、8千万の総人口の58パーセントまで達し。日本国内の総人口のうち二人に一人は老人ということになった。国債も信じられないほど膨らんで2300兆円となった。経済力で各国とせめぎ合うことが困難になった時代。
2038年に現首相は日本の発展という希望のため日本の中央へ全国民を収集した。
A区。B区。アルファベットで地名を表すようになってから、日本全土の区画整理でもう20年余りが経つ。アルファベットの地区は一つでも人口が約3千万人以上の巨大な地区だ。現首相は日本の急激な発展が責務となり、B区には日本の国の経済を左右するほど巨大な都市を造り、B区より広大なA区には、B区の周辺部には商店街や中小企業など、農村部には農業や漁などといったB区をサポートするかのような造りにした。
けれども、そのためか貧富の差からくる不満や差別が横行し、2038年に世界で大きな戦争が起きた後に、銃を持つ程の治安の悪い世界となった。
A区やB区とアルフャベットの地区をまとめて云話事町と呼ぶ人もいる。AやBというよりは、云話事町の方が解りやすくていいのだが……地区なのだが、何故町なのかというと。
理由を知っている人はいないだろう。理由はA区やB区を提唱した現首相の出生地が云話事町という場所だったからだ。
A区B区の次に新たに発展したC区の全面的技術提供案。スリー・C・バックアップには、裏の顔があった。 日本の将来は非人間的な政策が施されようとしていた。 その時。なんと、C区の陰謀に一人の男が立ち上がった。 ちょっぴりシリアスなガンアクション。たまに笑えるラブストーリー。 ご近所物語 ハイブラウシティの続編です。 前作のご近所物語 ハイブラウシティをお読みでなくともお楽しみ頂けるように書きましたが、前作をお読み頂いた方がよりお楽しみ頂けるようになっています。
ある夜、彼女は元彼にが麻酔をかけられ、ある謎の男に利用された。二人は淫乱で恍惚の一夜を過ごした。 復讐をするため、彼女はその男と結婚し、彼を利用した。 「私が生きている限り、彼の妻はこの私だ。あんたらは泥棒猫にすぎないわ」 彼が他の女性とのスキャンダルに巻き込まれたときでさえ、彼女の決心は揺らなかった。 結局、また彼に裏切られたと知ったとき、彼女は怒って立ち去った。ところが数年後、彼女がまた彼のもとに戻った。彼は驚いた。彼女から欲しいものを全て手に入れた彼が、何故まだ彼女を苦しめようとしているのか、彼女には理解できなかった。
ヒロイン【みくり】は、物心付く前から卓球漬けの英才教育を受けて育ち、中学二年生でオリンピック【卓球U-15】銀メダリストになった。 自覚は無いが、小柄で超可愛い顔立ち、卓球で鍛えられた身体はスレンダーで美しく見える。 中学三年になると、胸が急成長を開始‥‥更に成長期は終わっておらず、身長は伸びないが胸だけ成長していった。 そして、それは彼女をドン底に突き落とした。 胸が邪魔で卓球の未来が潰えたのだ。 それでも卓球特待生の誘いは多校あったが「オリンピックで上位を狙えなくなった以上、先に進めない」と断ってしまった。 またアイドル転向のスカウトもあったが「目立つのは好きじゃない」と断って、公立高校に通う事に。 市立日樫高校へと進学し、みくりは男子卓球部の女子マネ兼コーチとなって全国制覇を目指している努力の人。 一方、主人公の【真和】は、両親が卓球部上がりで恋愛結婚した環境に育つ。 しかし、反抗期だった彼は、両親が中学の部活に卓球を勧めてきたのを撥ね退け、趣味だった囲碁将棋部に入部した。 元々、運動音痴だったのだ。 身体の柔軟性は皆無‥‥前屈しても手は届かないし、ブリッジをすると台形になる。 足は速くもなく遅くもないが、持久走はビリッケツ。 握力は女子にすら負ける最低記録保持者で、反射神経も鈍い。 体育以外の全ての教科は、一切、宿題・予習・復習をせずとも、授業だけで平均点以上が取れる【努力とは無縁の天才肌】。 高校進学が決まって、声変わりも反抗期も終わり、親孝行の精神が芽生え、卓球部への入部を決意したのは良かったのだが‥‥。 ※この小説はフィクションであり、登場する人物や団体などは、現実とは異なります。 ※オリンピック種目としての【卓球U-15】も現実には存在しません。
僕の幼馴染みである春待青は、ちょっとおかしい。美少女だけど、他人の名前は覚えないし空気は読めないし、あとなんか手から氷を出したりする。笑いとシリアス、あやかしてんこ盛りのドタバタラブコメディー!