雪が解けていくと、村の外から商人のことを心配した一団がやっ
た一団から一冊の本を受け取りました。それは商人見習いなら全員読むと言われている行商の本
それを書き写すという練習を始めました。彼女はそこに書かれた、アッコでは食べることがで
は子供ながらに理解しました。そして、狩りや装飾品作りの合間を縫って
冬から、春がそうやって穏やか
れなりの気温になってきたころ、父はヤーカに真
ヤ
何
背が高くなって精悍な顔つきになっていました。黒い髪や灰色がかった瞳
を見て、肩をすくめると
、狩人にな
。なり
を考えるように目をつぶると、しばらく静かに何事かを考え始めます。ヤー
視線でヤーカのことを見つめます。それはまるで、相手を射
た。付い
ドに当たる部分が狼の上あごになっているそれを体にかけます。加
夏の森は、少しでも光を取り入れようと木々が青々としており、冬とは打っ
獣の声が響く森の中で、狼の
に行く
王に会
葉は簡潔
の出すぐの朝食の後に家を出たのに、目的地に
、雲一つない青空がよく見えていました。そして、そ
なって流れ出ていく場所でした。おとぎ話に出てくるような聖域
だ銀色の毛皮を持つ狼のことでした。父が来ている外套の狼と同じ種類であろう森の王
持つ胴もとても太く筋肉質でした。顔、ひいては顎も当然大きく、そ
たはしばみ色の目には理性が宿っているのがよく見えました。やがて狼が人間の父と
しい
汰してお
頭を下げて挨拶をしました。ヤーカは間近で見る、自分よりもはるかに背が高く、
、何の
、狩人にな
。父の無骨でとても大きな掌を、頭に感じてヤーカはそ
カのことを見ます。足元から頭の先までよく見
、森の奥に入っても良い
もあり
る咢が開いて、自分のことを飲み込んでしま
灰色の目を見ながら考え込むと、
式か
は
けます。凶悪な顔が近付き漂ってくる獣臭さを感じながら、ヤーカ
鼻を鳴らしながらヤーカの周りをぐるぐると回り始めます。そ
が、男のよう
ろうと一人で納得します。狼はひとしきりヤーカのことを観察し終えると
のでは
のです
に眉を顰めて、
間には、一つの取り決めしかないのだ
しく、不遜に厳格
を抜き、やがてあきらめたかのように背の低
う、
人の感情はよ
ましたが理解をしきることはでき
。名前は?い
カ、7
ヤーカ、ヤ
言葉を絞り出します。名前を聞いた狼は目を閉じて、し
くと、そのはしばみ色の瞳の色を強
につい
知りま
なれば、教
した声を上げます。その声は夜闇に響く恐ろしい遠吠えに似ているようで似
が殺し合うもの!生き残れば狼は
わし、やがて森へ
りの契約!狩猟の神リュカの名
が上手く、それの腕に嫉妬された他の神に狼に変身させられた男神でした
!命を賭けよ!強く、賢く
ヤーカが参加することを
の声のみが響き渡っていました。そして、僅かにこだまする声がやがて森の
お前の心に
質問に言葉が詰
ってみたい。わくわくするような本を読んでみたい。伝え聞く想像も
ませんでした。しかし、狼はヤーカの灰色の瞳に何か強い感情
よい。ヤーカ、ゆめ
は今まで感じていた恐怖はどこ
、父に向かい合って一つ思い出し
は一人死んでいたな?確か
の10上
父はヤーカのことを見つめ返すことはできず、じっとまっすぐ前を見続けます。ヤーカから
ことを見降ろしながら、
ことだ。わ
よく、わ
ませながらも、は
に居た時間は短いものでしたが、見慣れた森の景色
長い木々の影をオレンジ色の光で作ります。肌に感じる
陽を見ながらぼそぼ
当に、一人前に
て、それから彼が着ている狼の毛皮の外套
りた
そ
は何も言うまいと、ヤーカの言葉を尊重すること
りだけではなく
ーカは頷き、彼は優しく
きた時、父はヤーカに一つだ
ぬな