最高のオリジナリティを求めた新作VRMMORPG、Beyond Ideal Online通称BIO。 そんなゲームに突如現れた最悪のPKプレイヤー。 噂されるその正体。誰も知らない本名。多くの謎に包まれたプレイヤー。 その正体は完璧美少女、柏崎 葵(かしわぎ あおい)17歳である。 「うへへ.........キルたのちい」
円形の広場と、それを囲うようにある観客席。
そんな古代の闘技場を思い出させるような開けた空間の観客席を埋め尽くし、今か今かとざわつくのは多種多様な種族たち――
この日を待っていた者は少なくない。
今日は新作VRMMORPG、Beyond Ideal Online――通称BIOの配信1ヶ月を記念した初の公式大会が行われる日だ。
全世界同時生配信でニュースになるほどの大規模ビッグイベントで、プレイヤー達に「サーバーエラーを起こすのでは?」とまで言わしめたほどだ。
そんなイベントだけど、ルールに関しては至って簡単。
一週間前にあった、総合能力値が100位以内の人同士で行われるランダムな20人での一体一のPVPの試合。
その結果、勝率のよかった上位16人がトーナメント戦を行う。それが今日のイベントだ。
「大変長らくお待たせしました。これより第一回公式PVP大会を開催致します」
そんな少女の機械声アナウンスが会場に響いた。 会場では、これを待っていたと言わんばかりの盛大な歓声が上がる。
「では、初めにルールをご説明させていただきます」
アナウンスが順を追ってルールを説明していく。
しかし、このイベントのルールはシンプル。観客を始め、このイベントを見ている殆どの人間がこの日を待ちわびていた。
そんな者達にとってルールとは周知の事実。試合に胸が高鳴り、ルール説明なんてものはもはや耳に入ってこない状態だった。
「では、こちらが抽選によって決められたトーナメント表です」
会場の8方面に向かって巨大なモニターが映し出される。
そのモニターには、今回の16人の顔と名前がペアごとに次々と映っていく。
そして、最後にモニターに16人の名前と上下対になったトーナメント表が映し出された。
「それでは、第一回戦の選手をご紹介します」
第一回戦のペアの顔と名前がモニターに映される。
「総合能力値第17位――イリス選手」
アナウンスの声と共に出てきたのは長い銀髪の大人びた女。白の修道服を身にまとい、首元には十字架のネックレス、右手には背より高い銀色の杖が握りしめられている。
そしてなにより、その神聖な衣装からは考えられないほどピリピリとした、まるで周りを威圧するかのような強者の持つオーラを放っていた。
「総合能力値第8位――アルト選手」
女とは反対側から出てきたのは、顔を除く全身に空色に輝くプレートアーマーを身につけた、腰に一本の剣を携える勇者風の金髪の男。背は高く、爽やかな雰囲気をさらけ出している。
そんな男に、観客の女たちは黄色い歓声をあげている。そして、そんな女たちに向かって男は笑いながら手を振っていた。
しかしながら、やっぱり上位16人に選ばれただけのことはあるようで、先のプレイヤーに勝るとも劣らない佇まいと、存在感を放っていた。
装備も武器も性別も性格も違う正反対の二人が、対面する相手と向き合う。
「・・・・・・よろしくお願いします」
「お手柔らかに頼むよ」
女は警戒しながら、男ははにかみ笑顔で挨拶を交わす。
「では、第一回戦開始致します」
沸き起こる歓声がピークに達する中、アナウンスの声と共に、いよいよ第一回戦が始まった。
――ように思われた。
「は?」
観客の一人が呟いた。
会場に響き渡っていた歓声も今や何一つ聞こえない。
円形の広場――そこは今から戦う2名の選手が立っている。
しかし、第8位のアルトの胸元には鎧を貫通して一本のダガーナイフが刺し込まれていた。
そこには誰もいなかった。誰もいなかったが、今はアルトの胸元に刺さったダガーを引き抜き、それを握りしめ立っている者がいる。
真っ黒なローブに身を包んだ骸骨顔の者が――
「くっ・・・・・・!!」
会場に沈黙が流れる中、刺された張本人であるアルトは腰の剣を抜き、それを目の前の敵に振るった。
しかし、その剣は骸骨顔のローブをはためかすに終わり、何もなかったのように身体をすり抜けた。
自分の攻撃が通じないからなのか、あるいは想定外の状況が起こっているからなのか、アルトの顔は真っ青になっていた。
一方でアルトの対戦相手であるイリスは、杖を構えるも何も動けず、警戒半分恐怖半分の顔で固まっている。
誰も動けない状況。
その次の瞬間アルトの姿がパッと消えた。
そして、数秒後に骸骨顔の者の姿も同じように消える。
沈黙が崩れたのは、それから10秒ほど経ってからのことだった。
会場は大パニック、イベントの始まる前の歓声はいつしか悲鳴に変わっていた――
第一回BIO公式大会。
BIO史上語られ続けるであろう記念すべきイベントは、突然現れたその者と参加者の死亡《デス》によって幕を閉じた。
【速報】例の連続PK犯、ついに公式大会にも手を出す
001 BIOから名無し
ガチでやばい
002 BIOから名無し
あれ見てたけどなに?
003 BIOから名無し
>>002 有名なPKプレイヤー、前々から目撃情報とかあったけど謎だらけ
004 BIOから名無し
ってか運営が横槍対策してないのが笑える
005 BIOから名無し
あれって映像見る限り骨人種だよな
006 BIOから名無し
今北。これって大ニュースだよな。現場いた俺ラッキーだわ
007 BIOから名無し
でも正直あれ見たかったわ。延期だっけ?
008 BIOから名無し
>>005 映像だけ見るとそうだけど、でも骨人種って物理攻撃効くだろ? あいつアルトの剣当たってなかったんだよ
009 BIOから名無し
>>007 らしいな。一週間後だっけ?
010 BIOから名無し
>>008 ならあいつなんなんだよ。物理攻撃無効スキルがあるとか? もしあるなら運営が頭おかしいだろ
011 BIOから名無し
>>008 でも総合能力8位倒せるってことはトップランカーだろ? だけど100位以内に骨人種スケルトンなんか1人もいなくね?
341 BIOから名無し
>>003 調べてきたわ。なんか名前があるらしいな。確かデスリアルだっけ?
「よいしょっと・・・・・・」
ピンク色の壁紙が貼られた子供部屋。ベッドと勉強机、小さな机は置いてあるもののそれ以外の大きなものは立方体の黒い機械以外置かれていない。
そんな部屋の主が、ベッドから体を起こし、頭に付けた白い被るタイプの機械を外した。
肩にかかる明るい茶髪、白い肌、160後半はある背丈。綺麗というより可愛いに近い少女。
街を歩けば人は振り返り、歩く姿はテレビで活躍するモデルと遜色ないほどである。
「うへへ・・・・・・」
彼女の学校の者で普段の彼女を知る者が、今のこの姿を見れば間違いなく口を開けて驚くだろう。
休みの日にも関わらず、学校の体操着である青いジャージを着て、うっとりとダメな笑みを浮かべる――そんな彼女こそ、BIOで最も恐れられる最悪のプレイヤーキラーDeathReal《デスリアル》ことシリアルだった。
ある夜、彼女は元彼にが麻酔をかけられ、ある謎の男に利用された。二人は淫乱で恍惚の一夜を過ごした。 復讐をするため、彼女はその男と結婚し、彼を利用した。 「私が生きている限り、彼の妻はこの私だ。あんたらは泥棒猫にすぎないわ」 彼が他の女性とのスキャンダルに巻き込まれたときでさえ、彼女の決心は揺らなかった。 結局、また彼に裏切られたと知ったとき、彼女は怒って立ち去った。ところが数年後、彼女がまた彼のもとに戻った。彼は驚いた。彼女から欲しいものを全て手に入れた彼が、何故まだ彼女を苦しめようとしているのか、彼女には理解できなかった。
僕の幼馴染みである春待青は、ちょっとおかしい。美少女だけど、他人の名前は覚えないし空気は読めないし、あとなんか手から氷を出したりする。笑いとシリアス、あやかしてんこ盛りのドタバタラブコメディー!
ヒロイン【みくり】は、物心付く前から卓球漬けの英才教育を受けて育ち、中学二年生でオリンピック【卓球U-15】銀メダリストになった。 自覚は無いが、小柄で超可愛い顔立ち、卓球で鍛えられた身体はスレンダーで美しく見える。 中学三年になると、胸が急成長を開始‥‥更に成長期は終わっておらず、身長は伸びないが胸だけ成長していった。 そして、それは彼女をドン底に突き落とした。 胸が邪魔で卓球の未来が潰えたのだ。 それでも卓球特待生の誘いは多校あったが「オリンピックで上位を狙えなくなった以上、先に進めない」と断ってしまった。 またアイドル転向のスカウトもあったが「目立つのは好きじゃない」と断って、公立高校に通う事に。 市立日樫高校へと進学し、みくりは男子卓球部の女子マネ兼コーチとなって全国制覇を目指している努力の人。 一方、主人公の【真和】は、両親が卓球部上がりで恋愛結婚した環境に育つ。 しかし、反抗期だった彼は、両親が中学の部活に卓球を勧めてきたのを撥ね退け、趣味だった囲碁将棋部に入部した。 元々、運動音痴だったのだ。 身体の柔軟性は皆無‥‥前屈しても手は届かないし、ブリッジをすると台形になる。 足は速くもなく遅くもないが、持久走はビリッケツ。 握力は女子にすら負ける最低記録保持者で、反射神経も鈍い。 体育以外の全ての教科は、一切、宿題・予習・復習をせずとも、授業だけで平均点以上が取れる【努力とは無縁の天才肌】。 高校進学が決まって、声変わりも反抗期も終わり、親孝行の精神が芽生え、卓球部への入部を決意したのは良かったのだが‥‥。 ※この小説はフィクションであり、登場する人物や団体などは、現実とは異なります。 ※オリンピック種目としての【卓球U-15】も現実には存在しません。